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【北信越】続けるために変化を選ぶ。アスパラ農家のロゴマーク

「長和町を、アスパラの森にしたいんだよね」
笑いながらも真剣なまなざしでそう話すのは、長野県長和町でアスパラ農家をいとなむ吉見雅史さん。個人事業としての農家を続けるのが定石だったかもしれないけれど、もっと素直に追求したいから2015年、農業法人へ。ともに農業とまちの未来をつくっていくデザイナーとの出会いを模索しています。

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長野県長和町で脈々と農業をいとなむ家に生まれ育った吉見さんは、小さい頃から農作物が身近にあり、家業を継ぐのは当たり前のように思っていたそう。

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吉見雅史さん

「昔はうちで酪農もやっていて、学校から帰ったら、田んぼに牛が居るんですよ。じいちゃんに聞いたら「ん?逃げた」って。そんなことが日常でしたね。じいやんばあやんがそのへんで畑仕事をしていて、仕事と生活が一体になっていた。その辺に生えてる大根引っこ抜いて、ちゃんばらしたりね(笑)」

大学を卒業して一般企業で新規事業担当として10年間の勤務の後、家業である吉見農園に戻ってきた。

「子どもが2人いるんだけど、やっぱり自分と同じ(農業と共に育つ)体験をさせたいと思ったんだね。それで31歳の時に帰ってきた。今使ってるアスパラのパッケージには子どもが小さいときに描いた字を使ってるんです。」
お子さんが書いた字や絵をパッケージにつかう。吉見さんのアスパラへの愛情のあらわれだと思う。そして「『これ、お前の描いたやつだぞ』って言ったら、家業継ぐしかなくなるでしょ(笑)」とも。

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「よしみのアスパラ」

ユリ科の花が主力だった先代から事業を継いで、同じユリ科のアスパラへシフト。新規事業担当の経験が活かされて7年間で主力商品に育て上げた。販路は直接取引がメインで、今では県内のリゾートホテルのレストランやお土産ショップ、ローカルスーパーなどに卸している人気商品。そのアスパラを看板に、起業することを決意した吉見さん。その決意の裏には、どんな思いがあったのでしょうか。

「100年後もこの地で農業をやっていく決意を、法人化することで示したかった。 僕らの地域は、土地がなければ農業ができないから、地元の人に対してもそういう決意を伝えることはものすごい大事なことなんだよね。これから先、どんどん農業の担い手が少なくなってくる現状もある。きちんと就職先として安定した“産業”にしてつづけていくしくみをつくるには、組織化する必要があると思ったんだよね。」

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吉見農園の風景

今回必要になる新法人のロゴマークは、吉見さんにとっても、彼のもとで農業の未来を担っていく若手にとっても、決意をかたちとして表現する、大きな拠り所にしていきたいもの。だから今っぽさよりも思いがしっかり伝わることを優先したい。

以前吉見さんは、ふと思い立って映像作家の方と一緒に商品のプロモーションのための動画をつくったことがあるという。

直接のお客さんである主婦の方に届けることをイメージして作ったが、実際には卸先の料理人の方からの反響が大きかったそう。


「よしみのアスパラ」紹介映像

「たとえば、アスパラがこんなふうに地面から生えてることとか、マイナス5度の世界を生き延びたからこんなに甘くなっているんだとか。僕のお客さんである料理人が、彼らのお客さん、つまり食べる人に対して、実感を持ってアスパラの魅力を伝えることができるツールになったことがすごくよかった。そういうことを伝えていくことが僕らの宿命だし、やっていきたいことなんです。ロゴマークやウェブサイトも同じだと思う。」

よいクリエイティブはしっかり思いを伝えてくれる。
今回募集するロゴマーク以外にも、法人設立にともなって今後はリーフレットやウェブサイトも必要になってくる。広く紙媒体で活動をつたえるニュースレターのようなものも展開できるかもしれません。こういったアイデアを一緒に考えたり、自分では思いつきもしなかったことをどんどん提案してもらえたらとても嬉しい、と吉見さんは語ります。
取材の当日、上京される際も「誰に会っても大丈夫なように!」と背広を来ていらっしゃったように、人あたりはとっても柔らかく、でも芯がピンとしっかりたって、そうアスパラのように優しさと強さを兼ね備えた方です。

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アスパラポーズをとる吉見さん

吉見さんの農業の理念は、“こころに残るものづくり”。
これから先、人がいるかぎり、ずっと残っていくもの。春になったら、あのアスパラがまた食べたいなと思い出してもらえるようなものを作りたい。
そのときに、ふと思い出してもらえるようなロゴマーク。
春の足音がきこえてきたら、「あのマークのあのアスパラ」が自然におもいおこされる。
吉見さんが求めるのはそんなクリエイティブ。
100年後にのこるアスパラ農家を一緒にかたちづくっていけるようなデザイナーの方の応募を、お待ちしています。

(2014.12.28)